弁護士桑田の活動日誌
2012年7月11日 水曜日
マンションの滞納管理費と先取特権
こんにちは,弁護士の桑田です。
今回のテーマは,分譲マンション最大のテーマの一つ,滞納管理費の回収方法についてです。
全てを網羅して記載すると何ページあっても足りませんので,今回は先取特権についてお話しします。
先取特権と書いて「さきどりとっけん」と読みます。あまり耳慣れない用語かと思いますが,どのような権利でしょうか。
先取特権とは,一定の債権を有する債権者が,債務者の財産から,他の債権者よりも優先して債権の弁済を受けられる権利です。
区分所有法は滞納管理費を含めた共用部分の管理のための費用について先取特権を認めています(第7条)。区分所有関係において,共同の管理のための費用に関する債権は一般の債権以上に強い保護が必要と考えられたからです。
区分所有法7条の先取特権は,債務者(滞納者)の区分所有権と専有部分に備え付けた動産に及びます。ですから,専有部分や動産について担保権の実行として競売申立を行うことが可能です。
ただし,申立書の他,管理規約や滞納管理費の計算書などの添付書類が必要ですし,東京地裁執行センターでは,区分所有法7条に基づく競売についてはある程度厳格に疎明資料を確認するので,事前準備が大切です。また,競合する抵当権との関係では抵当権が優先するのが通常ですので,オーバーローン物件については管理費の回収が困難であることにも注意下さい。
今回のテーマは,分譲マンション最大のテーマの一つ,滞納管理費の回収方法についてです。
全てを網羅して記載すると何ページあっても足りませんので,今回は先取特権についてお話しします。
先取特権と書いて「さきどりとっけん」と読みます。あまり耳慣れない用語かと思いますが,どのような権利でしょうか。
先取特権とは,一定の債権を有する債権者が,債務者の財産から,他の債権者よりも優先して債権の弁済を受けられる権利です。
区分所有法は滞納管理費を含めた共用部分の管理のための費用について先取特権を認めています(第7条)。区分所有関係において,共同の管理のための費用に関する債権は一般の債権以上に強い保護が必要と考えられたからです。
区分所有法7条の先取特権は,債務者(滞納者)の区分所有権と専有部分に備え付けた動産に及びます。ですから,専有部分や動産について担保権の実行として競売申立を行うことが可能です。
ただし,申立書の他,管理規約や滞納管理費の計算書などの添付書類が必要ですし,東京地裁執行センターでは,区分所有法7条に基づく競売についてはある程度厳格に疎明資料を確認するので,事前準備が大切です。また,競合する抵当権との関係では抵当権が優先するのが通常ですので,オーバーローン物件については管理費の回収が困難であることにも注意下さい。
投稿者 弁護士 桑田 英隆